端整 | 少し冷たい感じはするものの、とても端整な顔立ちは、ミーアの審美眼にも十分かなうものだった |
陰険 | ああ、まずいですわ。あの陰険メガネ、さっそく地方に飛ばされそうになってますわ |
殊勝 | 殊勝な態度のルードヴィッヒに、ご満悦なミーアであった |
諫言 | アンヌの諫言もどこ吹く風、ミーアはご機嫌な笑みを浮かべたまま |
皆目 | しかも、同解決したものか、ミーアには皆目見当のつかないものばかりだった |
召し物 | ああ、先日の……でしたら、お召し物を直さなければなりませんね |
門閥 | 原因はさまざまだったが、多くは皇帝を頂点とした門閥貴族にあることは明らかだった |
急騰 | ルードヴィッヒの中でのミーアの評価は、もはや手が付けられないレベルまで急騰していた |
寝耳に水 | てっきりルードヴィッヒに会いに来ただけだと思いこんでいた彼女としても、ミーアの発言は寝耳に水であった |
至高 | なにしろ、至高の皇帝のご息女が街に出るというのである。護衛にいくら手をかけても十分という事はない |
息女 | |
一抹 | 堂々と胸を張るミーアに、一抹の不安を覚えるルードヴィッヒであった |
湯浴み | このようなところにいる方々はきっと湯浴みをするのも簡単ではないのでしょう? |
豪胆 | そんな豪胆な皇女の姿を、取り巻きの兵たちは茫然と見つめることしかできなかった。 汚れた道、薄暗い路地裏、崩れかけの民家。 それらの物影からは、場違いな一行への怪訝そうな視線が送られて来ていた。 そんな物に構わず、ミーアはずんずん、歩いていく |
薄暗い | |
路地裏 | |
民家 | |
ずんずん | |
質素 | 協会は質素で、併設された孤児院を加えても、そうたくさんの人が入れるわけではない |
民草 | 民草のことにまでお気を使われるなんて、私たちには真似できませんわ |
褒め称える | 取り巻きの貴族のご令嬢たちが口々に褒め称えるのを聞き流しつつ、あー、早く終わらないかしら……。ミーアは内心でため息を吐いた |
下賜 | では、優しい姫殿下が特別に、これをあなたに下賜いたしますわ |
最たる | 処刑される前、ミーアの心残りの最たるものの一つが、このお話のエンディングを聞くことができなかったことだった |
お抱え | あなた、わたくしのお抱え芸術家として仕えなさい |
礼賛 | 実話をいたいつつ、内容はミーアを礼賛する高純度の妄想である |
垂涎 | 良いスポンサーに恵まれればお金の心配をせずに、自分の創作活動に集中することができるという、芸術家垂涎の立場だ |
ひいき | お姉ちゃんの妹だからって、ひいきしないでください |
ドヤ顔 | まるで、好き勝手に作品批評を語って、いい気分になるおっさん批評家のようなドヤ顔で |
重宝 | 雪が降ることもしばしばで、名家庭では暖炉が重宝される |
年の瀬 | 微かに白く色づく息を付きながら、アンヌが廊下を歩いていた。年の瀬の、一年で最後の日 |
粗相 | 国の未来を担う者たちと友誼と人脈を築く大切な場所なのだ。粗相は、決して許されない |
後顧の憂い | ふぅ、よかったですわ。これで後顧の憂いはなくなりましたわ。 ミーアは安堵の息を吐いた |
学び舎 | なにしろ、前の時間軸で数年間過ごした学び舎である |
精査 | 学院に来る前、ミーアは自らの日記帳を精査して、ここでの過ごし方を考えていた |
威信 | で、ですが、それでは帝国の威信に |
豪奢 | 湖に浮かぶ豪奢な船、数十台の馬車を載せることができる巨大なそれを見上げて、アンヌが首を傾けた |
船室 | それに、船で学生を運んでいた時には、船室の場所でもめた方がいらっしゃったとか |
未然 | 皇帝一族の警護を努め、時に暗殺すら未然に防ぐ腕利きの彼らだが、その働きはしょせんは仕事である |
血税 | 血税を無駄使いしているようで、気が引けますの |
射止める | ティオーナ・ルドルフォン。 帝国の南の外れ、農耕地が広がる辺境地域に領地を持つ、貧乏貴族の令嬢。そんな田舎者が自分を差し置いて意中の人の気持ちを射止めるなど、到底認めることができなかった ミーアは、彼女をいびった。口汚く罵倒したし、他の貴族令嬢たちがやっている嫌がらせにも積極的に参加した |
いびる | |
口汚い | |
傍観 | 少しでも敵対的な態度をとることはもちろん、近づいて傍観者認定すらされたくはない |
粟立つ | ここは道を変えて……、などと思っていたミーアは、ふいに背筋に粟立つような感覚を覚えた |
威光 | その瞬間、ミーアの背後では、帝国の威光が燦然と輝いていた |
燦然 | |
激昂 | 少女たちの顔色が、徐々に白くなっていく。なぜならミーアが……、敵に回してはいけない大帝国の姫君が……、激昂していたからだ |
臣民 | わたくしの、帝国の臣民に、無礼を働いているように見えるように見えましたが、帝国貴族と言っても、辺土貴族。社交界も知らぬ田舎者だって |
辺土 | |
溜飲を下げる | この期に及んで、ミーアはほんの少しでも溜飲を下げたいとばかりに、言葉をつむぐ |
真骨頂 | どうせ助けるのだから、せっかくなら気持ちよく助ければいいのに、と思わなくもないが、この往生際の悪さこそ、ミーア真骨頂なのである |
農奴 | 準帝国人などと呼ばれるのはまだ良い方で、酷いものになると農奴の末裔だの、植民地人だの散々なことを言われた。だから、セントノエル学園に入学した。一生懸命に勉強し、礼儀作法を身につけ、宮廷剣術すら体得してきた |
体得 | |
敢然 | 弱き者が虐げられている場に、敢然と乗り込んだこともさることながら、彼は、ミーアが怒りにかられていることに、思わず感心してしまった。義憤、悪が行われていることに正当に怒れるということ、それは、民の上に立つ者として、持っていなければならない資質だとシオンは考えている |
義憤 | |
あまつさえ | けれど、はたしてどれだけの者が他人の苦しみに寄り添い、あまつさえ自分のことのように怒ることができるだろうか |
叡智 | 彼女には、帝国の皇帝に連なる者にふさわしい叡智と、正義を愛する心があるに違いない |
有象無象 | 有象無象と挨拶など、ぜーんぶ投げ出してしまいたいですわ |
意気揚々 | 共同浴場が開くと同時に、意気揚々とやってきたミーア |
泉質 | 幸いにも、ここの浴場の泉質は肌荒れや疲労回復に効くという |
肌荒れ | |
枝毛 | 体を洗い終え、今度は髪を念入りに洗う。ついでに枝毛がないかもチェック、色、艶ともに問題なし |
忠臣 | ミーアにとって、アンヌは大切な協力者で忠臣だ |
そそくさ | 強引にアンヌを座らせると、ミーアはそそくさと後ろに回り込み、背中を流して行く |
腹心 | もちろんですわ、アンヌはわたくしの腹心ですから |
中堅 | ティアムーン帝国とサンクランド王国、二つ一級国家には及ばないまでも、中堅の国家郡の中では比較的大きく、なおかつ軍事力が充実した国 |
総動員 | 「作戦会議をいたしますわ、アンヌ。あなたの恋愛知識を総動員していただきますわ」 ミーアの号令を聞き、アンヌはすっと姿勢を正した。 「わかりました、ミーアさま。不肖、このアンヌ、ミーアさまのために全身全霊、知恵を絞らせていただきます」 |
号令 | |
不肖 | |
快哉 | ひらひら、と、軽やかに舞ったハンカチは、狙いたがわずアベルの足元に落ちた。それを見てミーアは、内心で快哉を叫ぶ |
心証 | けれど、ここでお断りしてしまえば、シオンの心証は悪くなるだろう |
起死回生 | 八方塞がりな状況、そんな中、ミーアはなんとか起死回生の手段を模索する |
卑屈 | 軟弱者が……、卑屈に女にヘコヘコしやがって。誇りあるレムノ王家に連なる者ならば、もっと剣の腕を鍛えろ |
ヘコヘコ | |
恫喝 | 子どもと話す時は目線を合わせて……などという心遣いではもちろんなくって、それは、自分より年下の少女に対するあらかさまな恫喝だった |
研鑽 | それでも、彼は努力したのだ。なんとか兄に勝ちたい、一番になりたいと研鑽を積み重ねた |
はべる | そうして、生涯に数十人もの妾をはべらせた稀代のプレイボーイとして、二流王子の運命を辿るはずだったアベルの前に、彼女は燦然と降臨した |
稀代 | |
痛快 | ふふ、それにしても公衆の面前でシオン王子の誘いを断りしたのは痛快でしたわ!腹の中は大変ゲスなミーア姫殿下ではあったのだが。 そんな思惑とは裏腹に、かくて、アベル・レムノの運命は大きく変わり始めたのだった |
かくて | |
立ち居振る舞い | 顔立ちは整っていたし、立ち居振る舞いも一見すると華麗に見える |
メッキ | キースウッドが見たところ、アベルの魅力はとても表面的なものだ。いわばメッキ |
檄を入れる | あの時にかけた言葉も、なんだか、檄を入れているようにも見えたし |
とぼとぼ | とぼとぼと、悄然とした様子で戻ってきたミーアを見て、アンヌは思わず気が遠くなりかけた |
悄然 | |
略式 | 略式であるならば派手なものは避けるべきということで、アンヌは白一色のドレスを選んだ |
手塩にかける | て、アンヌが手塩にかけたミーアのすべすべお肌の魅力を十全に引き立たせる効果を発揮していた |
傾城 | 絶世の美少女ではない。傾城とも傾国と言うにも足りない |
傾国 | |
敬虔 | けれど残念なことに、さながら信仰のごとく敬虔に、男子はこの価値観を胸に大事に抱いているのだ |
言外 | どうぞシオン王子のもとに行ってください、と、言外に込めて伝えると、ミーアは小さな胸に手を当てて、ホッと安堵の吐息をこぼした |
じゃじゃ馬 | お淑やかなお姫さまかと思ったが、意外とじゃじゃ馬なんだな |
暗躍 | メイドの暗躍 |
急ピッチ | まだ、こちらに来てから三日に過ぎないのだが、それでも新しい環境で疲れもあるだろう。今だって、急ピッチで着付けをしてくれたのだ |
自由裁量 | ミーアさまに自由裁量を認められたんだ。ご期待に応えしないといけない! |
獰猛 | 気軽な口調でそう言うと、キースウッドは獰猛な笑みを浮かべた |
真横 | 「きゃあっ!ミーアさまっ!」 ミーアはそのまま真横に倒れた。その顔色は、月光のように青白くなっていた |
青白い | |
てきぱき | かたわらに控え、心配そうな顔をしているアンヌにミーアはてきぱきと指示を飛ばした |
狼藉 | 大切な生徒に対するこのような狼藉を見過ごされると思い? |
折り入って | 「折り入ってお話があるのですけれど」 恐る恐る、ミーアは上目遣いにラフィーナを見つめた |
上目遣い | |
更生 | 悪人さえも更生を促そうとするその慈悲深さは、私にはないものです。さすがは帝国の叡智、感服いちしました |
しずしず | 長い赤毛を頭の上でまとめたアンヌが、しずしずとミーアのそばに膝をついた |
ニンマリ | ミーアはニンマリと笑みを浮かべてるそれから冷たい手の平をアンヌの背中に押し付けた |
裏返し | より高い能力を求められるということ、それは信頼の裏返しだ。それは、あまりにも都合がいい想像だと、アンヌは自覚してはいたけれど……。 「ミーアさま、私、頑張ります」 彼女のモチベーションは否応なく上がっていくのだった |
否応なく | |
厩舎 | ミーアがやってきたのは厩舎だった |
切実 | ミーアには馬に乗れるようになりたいの切実な理由がある |
着崩す | あのころの彼は、いつだってヘラヘラ情けない笑みを浮かべ、制服もだらしないぐらいに着崩していたものだったのに |
退廃 | そう答える彼の顔には、退廃とはかけ離れた爽やかな笑みが浮かんでいた |
ビギナーズラック | もっともこの時は、確かにミーアの女の勘は当たっていたのだが。そう、俗に言うビギナーズラックというやつである |
集積 | 知識の集積である本は、もともと高価で取引される有力な商品だ |
前のめり | クロエは少しだけ前のめりになりながら、懸命にミーアに説明する |
チョッキ | 乗馬用のチョッキに長ズボンという、凛々しい乗馬服に身を包んだミーアを見て、アベルは言った |
会食 | ミーアはすぐに、それを否定する。何度か会食を重ねるうちにわかってきたことだが、学園の支配者、ラフィーナ公爵令嬢は潔癖な人だ |
快諾 | 快諾してくれたクロエに別れを告げて、ミーアはさらにスカウトに走る |
不貞寝 | いじけて不貞寝をしようと自室に戻ろうとしたところで、アンヌがやってくるのが見えた |
たじろぐ | 「てぃ、ティオーナさん……ですの?」 ミーアは、思わずたじろいだ |
夜な夜な | そこで、キースウッドは、夜な夜な調理室に忍込んで、夜食を作ってシオンに届けた |
厳か | いっそ厳かともいえるほど静かで、威厳のある声で、キースウッドは言った |
形跡 | 国家外交的な観点はもちろんのこと、ミーア一生懸命作った形跡が見えるそれをつぶすことは、キースウッドとしても気が引けることだった |
気が引ける | |
気心 | こんな風にアンヌとクロエ、二人の気心が知れた者たちと一緒に出店を回れるとはなんと幸せなことか |
処世術 | アベルのないように予防線を張って。それが、アベルの処世術。体に染みついた、幼い時からの 生き方だ |
名君 | 才能の開花。優れた名君の誕生は、一平民としては喜ぶべきことなのかもしれない |
拝謁 | 僕もぜひ。夏休みの間に一度ミーアさまと、それに皇帝陛下に拝謁願えれば |
ひっ迫 | だから……、財政がひっ迫し、各地で紛争が起き、帝国が傾きつつあった年 |
斜陽 | ミーア以外の帝国貴族な子どもを学園に送る余裕はなく、他国の者は斜陽の帝国の姫という厄介者と関わることわ避けたのだ |
詮無い | 殿下ほど賢明であれば、どれだけ楽なことか……詮無きことだな |
綱紀 | 税の不正は国家を腐らせる。綱紀の粛正は常に気にかけておくべき事柄だろうさ |
粛正 | |
開墾 | 誤魔化すなよ。実はな、ラドノア男爵に提案してみた。そちらの領地を新しく開墾してみませんか、とな |
肥沃 | かつては肥沃なる三日月地帯と呼ばれ、種蒔けば十倍、二十倍の実りをもたらす地として知られていた。そこに住まうのは、農耕牧畜によって生計を立てる人々たった |
生計 | |
きわどい | 輸入を含めての、需要と供給のきわどい綱渡り。その綱も徐々に細っていく |
綱渡り | |
病巣 | その事実を無視して簡単に見下す、彼らの病巣は思いのほか深い |
お茶請け | 私のイタズラを全部見抜かれてる……?ううん、大丈夫。気づくはずないし、お茶請けはいっぱいあるんだから |
艶めく | 他の艶めくような果実や色鮮やかなケーキと比べてしまうと、かなり見劣りするようなもので…… |
見劣り | |
切れ者 | もしそうならば、……なるほど、このラーニャ姫という方、なかなかの切れ者ですわ! |
根回し | 帝国初の女帝の誕生か。これは根回しが大変だぞ |
引っ提げる | ミーアもお呼ばれすれば、ニコニコと嬉しそうにお土産を引っ提げていくことができる |
嫣然 | 花園の中央にしつらえたテーブルのところで、嫣然と笑みを浮かべるラフィーナ |
天啓 | その時……、ミーアの脳裏に天啓が閃いた。そうですわ!ラフィーナさまのように、わたくしも園芸を興味にすればよろしいんですわ |
街区 | そんなわけで、アンヌは園芸用品の多くがそろう西街区に足を運んだ |
剪定 | 真新しいスコップ、植物用の水差し、剪定用のハサミ、それに各種の種だ |
ติดตามอัปเดตของบล็อกได้ที่แฟนเพจ