
| 妙手 | この子の家の連中には、相当の妙手に見えていたに違いない |
| 雄々しい | やたらと雄々しい悲鳴をあげて、思いきりのけぞった |
| 享楽 | その力を駆使し、最盛期の堕鬼種の中には、小国をまるごと享楽と堕落に沈めていたなどという偉人もいたらしい |
| 豪放 | 一見して豪放なだけの動きのすべてが、繊細に形づくられている |
| 足払い | 足払いを仕掛けようにも軸足は宙を廻っている最中だし、そもそもその勢いを見れば、どこかに触れただけでこちらが吹き飛ばされることは自明の理 |
| 軸足 | |
| 常套 | 手品師のようなその動きは、つまり短刀使いの常套の動きでもある |
| 粉砕 | 樽を斧で粉砕するような豪快な音を立て、獣人は転倒する |
| 豪快 | |
| 転倒 | |
| 怨敵 | 〈獣〉の仕業に見せかけ、怨敵を沈めようとする軍も出てきた。侵略の事実はないすべては情報工作で陰謀だ、という風聞が飛び回った |
| 風聞 | |
| 憲章 | 意思決定は大陸群憲章にのみ委ね、他のあらゆる法や良識などには従わない |
| 良識 | |
| 勲功 | 問題は、まだ若く、実戦で勲功を積む機会に恵まれてこなかったことだ |
| 哨戒 | 実際、そういう用途に使うためだけに、三位哨戒武官や二位呪器技官といった、「お飾り専用」の位官の席が用意されているくらいなのだから |
| 盛大 | 自分のことは盛大に棚にあげて、フェオドールは少女たちの姿を見回した。 「だから、現実を見ようってば」 「いやいや。どう見ても、育ちの良いお嬢さんたちです。こう言っちゃなんですけど、うちの師団は下品の巣窟ですよ?本当に受け入れちゃっていいんですか?」 |
| 巣窟 | |
| 若輩 | 重要な任務を僕などのような若輩に預けていただき、光栄に思っています |
| 好人物 | 何せ、フェオドール・ジェスマンは、好人物だ。穏やかで、良心的。誰にでも優しく、そして同時に厳しい。多くのことに優れるが、そのことに驕ることもない。常に前向きで、高い目標を持ち、努力を怠らない |
| 驕る | |
| 支離滅裂 | 五年前、〈五番目の獣〉や〈十一番目の獣〉と戦った者たちは、皆そのまま死んだ。混乱を極めた戦闘記録は支離滅裂で、どう読み解こうともせいぜい |
| 羽音 | ばさり、羽音を残してナックスが姿を消す |
| 猛者揃いの | 奇妙に思って、猛者揃いの第二師団に所属しているのではなかったかと尋ねてみた |
| 剛毛 | 狼の剛毛の上からでも、少し顔が赤くなっていたような気がした |
| 狭量 | けちで結構。狭量にルールを回す者が社会を維持し、鷹揚にルールを破る者が社会を動かすんだ。大事なのはバランスと役割分担だけ |
| 鷹揚 | |
| 品揃え | この店、品揃えにあんまりバリエーションないんだけどさ、素揚げのやつだけで充分にあまいよね? |
| 素揚げ | |
| 概略 | だから、自分自身で扱うことこそできないが、フェオドールはその概略を知っている |
| 鋭意 | というわけで、俺は、これ後の訓練を生き残るべく、鋭意休憩中。用件があるなら後にしてくれよ、四位武官ドノ |
| 存外 | 見た目からただの女の子かと思いきや、戦闘力は存外に高い模様。となると、あれは今回の作戦に合わせた増援で、協力な戦力になる……のかとも思ったんだけど |
| 増援 | |
| 上っ面 | だいたい、直接の上官に相当するはずの僕でさえ、本当に簡単な、上っ面だけの管理だけしか命じられてないんだよ? |
| 伝手 | 了解。第二のほうの伝手は少ないけど、あたってみよう |
| 怒号 | 訓練の後の時間、怒号の飛び交う食堂でのことである |
| 飛び交う | |
| 底抜け | 怯えを吹き飛ばすのは勇気だ。あの娘の持つ底抜けの陽気さは、怯懦に落ちかけていた兵士たちに意地を吹き込み直した |
| 陽気 | |
| 怯懦 | |
| 貴殿 | むぅ。貴殿は四方八方に愛想が良いからな、すっかり忘れていたぞ |
| 愚物 | しかしそれでも、種族を理由に目を曇らせるような愚物ではなかったはずだ |
| 豪胆 | 死ぬかもしれない戦いを前にして、鈍感なのか豪胆なのか、とにかく平常心を崩さない精神力 |
| 備蓄 | 飛ばし切りの方道飛行艇の備蓄確認に使われる |
| 積載量 | 戦略艇『ウルティーカ』。護翼軍が保有する全飛空艇の中でも、最大級の出力と積載量を誇る一隻だ |
| べらぼう | べらぼうな出力を扱いはきれるようにと駆動部分の部品はほぼ緋重鋼製、となればめちゃくちゃ重くなる機体をどうにか支えねばなるまいと、姿勢制御用のものも含めた回転翼は脅威の十六対、通常の大型飛空艇の四倍近い |
| 駆動 | |
| 鋼製 | |
| 気休め | けれどあんなもの、気休めでしかない |
| 魔除け | 前にコロンが、甕いっぱいの魔除けの聖水を飲んで、おなかを壊していました |
| 子煩悩 | 少し思案し、子煩悩の父親でしょうか |
| 陽動 | その意図は、おそらく陽動。騒ぎが人目を集めている間に、どこかで何かの工作を行っていたのではないかという推測が、今のところ有力だと |
| 不穏分子 | 不穏分子ということですか |
| 悪寒 | そうですか、その頷こうとしたところで、強い悪寒に襲われた |
| 負債 | 問題は誰がその負債を抱えることになるかだ |
| 愚行 | 生きていればいつかは、愚行の罰を、どうしようもなく自分自身で受け入れなければいけないこともうる |
| 洟 | びいいい、と薄紙で洟をかむ |
| ずぼら | さて、どうかな。ただのずぼらというには、計算された散らかり方だが |
| 散漫 | 散漫な集中力、定まらない視線、成功を期待するほうが難しいという状況での挑戦、必然の結果を迎えて終わった |
| 公算 | パニバルが身を起こしてしまった今、すぐに追いつかれる公算のほうが高い |
| 相場 | そう、相場が決まっている。その原因を説明した理屈も聞いたことがある。 |
| 短絡 | 嫌いじゃなきゃ好きとか、そういう短絡的な考え方はよくないと思うな、僕は |
| 議席 | 議席持ちの商人が何人か、計画の一部を改竄して、空軍の一部を勝手に動かしてるんだよ。ああいうのはマジ参るよな、こっちのやる気が萎えちまう |
| 萎える | |
| 銘柄 | 卵焼きにかけるソースの種類とか。好きなお菓子の銘柄とか |
| 突貫 | 突貫で作られたもののはずだが、塗料のせいか、妙にぴかぴかしているのが印象的だった |
| 友邦 | この者は、浮遊島大陸群最大にして究極の禁忌を犯し、我らが友邦たるコルナディルーチェの地を未曾有の危機に晒した |
| 未曾有 | |
| 一糸乱れぬ | 手に手に物騒な獲物を持った兵士たちが、一糸乱れぬ動きで、広場に入ってきた |
| 異臭 | なぜか、鼻をつく謎の異臭が漂ってきている |
| 片鱗 | 掬い上げた端から砂が流れ込んできて、片鱗が見えたかと思った記憶をすぐに覆い隠してしまう |
| 愛顧 | 長い間、ご愛顧ありがとうございました |
| 画集 | 「あの古本屋が消えたのは、僕にもショックだったよ。ウィルホルナキア・テナスの画集とか揃えてあったんだ」 「え、知らない。それ誰」 「ちょっと昔の猫徴族美人画絵師」 |
| 美人画 | |
| 内蔵 | 人形の家なんだけど、毎日決まった時間になったら住人が踊りだす、みたいなからくり仕掛けが内蔵してあるやつ |
| こんがり | 手の中のドーナツに目を落とす。こんがりきつね色。軽くまぶしてある細かいものは、何かの植物の種を炒ったものだろうか |
| まぶす | |
| おべんちゃら | いやいや、いくら僕がインプだからって、いつも嘘やおべんちゃらばかり言ってるわけじゃないからね? |
| あてがう | 「その『クトリ先輩』みたいになりたがってたのは、君のほうじゃなかった?どうして彼女のほうに男をあてがおうとするわけさ?」 「あてがうって、ますます生々しいなぁ」 |
| 絞め技 | 先週かけられた絞め技は本当にきつかった |
| 帯剣 | それも知っている。彼女は帯剣戦闘において、完全我流ながら、とんでもない技量を見せていた |
| 連打 | 代表的なところで二拍と三拍の繰り返しが『非常対応訓練』一拍と二拍で『全員自室に戻り待機』、第五師団のオリジナルとしては二拍を連打することになる『食堂在庫僅少につき早い者勝ち』など |
| 僅少 | |
| 錘 | 爆発現場だと判明している三か所には、すでに錘を兼ねた鉛の駒が置かれていた |
| 策謀 | 堕鬼種は、嘘に聡く、策謀に通じると言われる |
| 復唱 | 時間がない。復唱省略でいいから、さっさと行け |
| 革張り | 一位武官は革張りの椅子に、深く背中を投げ出した |
| 視認 | 目的地を視認できるところまで来て、フェオドールはようやく足わ止めた |
| 大義 | 僕らの大義のためにも、そっちのほうが都合がいいんだろう |
| 美談 | 僕はね、美談ってやつが、好きじゃないんだ |
| 一矢を報いる | 弱者が一矢報いるための健気な努力 |
| 暴虐 | 涙目のティアットが次々に繰り出す暴虐の刃(の腹)を、すべてギリギリでかわしていく |
| 勲功 | 立派な勲功をあげたんだろうし、大陸群を何度も救ったんだろうし、自分たちの人生わ精一杯に生きただけなんだろうさ |
| 純真無垢 | 後輩がどんだけ単純バカだったり純真無垢だったりしてるのかも気づかずにね二人だけでキレーなラブロマンスだけ見せつけて退場するとかね最悪だろ!? |
| 分銅 | 右腕を伸ばす。先ほど繰り出した分銅つきロープが、もどかしくなるほどゆっくりと時間の流れる視界の中、ようやくティアットの足首に絡みついた |
| 汗顔の至り | 五年もかけて何してたんだと思うと、まったくもって汗顔の至りというやつです |
| かりそめ | おそらくは、今の自分たちの妖精としての記憶こそが、かりそめのもの |
| 朴訥 | あるいは、さびれた街の軍事基地を舞台に、朴訥な田舎娘四人が、ゆるゆるのどかなオフィスライフを送る話になるかもしれません |
| 仕立て | 悲鳴わあげて、石畳の上を転がる。仕立ての良い外套が、たちまち煤と泥とで汚れる |
| 外套 | |
| 血走る | その目はほぼ例外なく恐怖に血走り、口々にわけのわからない悲鳴やら誰かの名前やら祈りの言葉やらを叫んでいる |
| ぼろきれ | ぼろきれのようになって石畳に這いつくばっていたそれが、震えるよいにして、半身を起こす |
| 這いつくばる | |
| 定評 | 堕鬼種という種族は、実は逃げ足にも定評がある |
| 奉射 | もう、奉射祭の時期なのか |
| 半壊 | 例の事件で港湾区画が半壊したから、今後の運用のために、ここ半年くらいの運行記録を整理し直したって |
| ずさん | 港の数が多ければ、どうしても、その中には管理がずさんな場所も出てくる。そういうところを利用して、違法に物資をやりとりするような連中も出てくる |
| 表通り | だからきっと、新しくこの街に来たというその連中は、表通りを歩いていないのだ |
| 得手 | 嘘に長け、逃げ足が速く、そして……それゆえに、策謀や陰謀の類をとにかく得手とする |
| 胡乱 | 護翼軍武官としてではなくフェオドール・ジェスマン個人としては、最近になって市内に増え始めた胡乱な連中のことについても何か手を打っておきたい |
| 世渡り | 外面のよさと世渡りのうまさだけで生きる堕鬼種の末裔としては、少々問題のある話かもしれない |
| ぽとり | 林檎をむき終わる。皮がぽとりと地面に落ちる |
| 委譲 | その後も色々あって、最終的に護翼軍へと権利委譲されて現在に至る |
| 持久力 | 持久力にはあまり自信がない。フェオドールが特別に虚弱だというわけではなく、堕鬼の一族という種族自体に、体格や体力との縁がないのだ |
| 浮き世 | 最初に聞いた時には嘘だろうって思ったけど、君たちの浮き世離れっぷりを見てると納得できるねって痛い痛い痛い |
| 手筈 | 支給品は言質に届けてもらう手筈になってるから心配はご無用っすよ |
| 黙秘 | その質問に対しては、黙秘を貫いた |
| 嘆息 | ティアットは内心で嘆息する |
| 横着 | たぶん、あれは正解だ。自分自身で答えを見つけられないから、大好きな先輩の模範解答の真似をしようとしている。そんな横着を見抜かれた |
| 竈 | ニズ大竃通りとベルホック鈎螺子通りを繫ぐ小道。うめくように、ティアットは隣を歩くナックスに尋ねた。 「変装用だからな、我慢しよう。顔を隠して出歩いていても目立たないってのは、隠密の任務にはちょうどいい」 もごもごとくぐもった声が返ってきた |
| 鈎 | |
| 隠密 | |
| もごもご | |
| くぐもる | |
| 大っぴら | こんなに大っぴらに祭りを漫喫できる機会なんてそうそうないんだ、めいっぱい楽しむくらいの気持ちでいたほうが楽だぜ |
| 手腕 | あちこちから情報を抜き出す手腕は、相当のものっすよね |
| 権化 | 〈獣〉というのは、もちろん〈十七種の獣〉のことだろう。遭遇することがそのまま死と滅びに直結する、理不尽な破壊の権化。かつてあの地上を滅ぼし、今なお地上の支配者であり続けている者たち |
| 檄を飛ばす | これ、つまり、絶対失敗するなって檄を飛ばされてるんだよね? |
| 生気 | あまりに生気に欠けていたため、初めは死体ではないかと疑ったのですが、どうやらそういうわけではない |
| 一介 | まして、一介の兵士に過ぎん俺が、是非を判断することなど、決してしてはならない |
| 黙考 | 数秒の黙考。何かを思いついた顔 |
| 拝借 | くうかくうかと寝息を立てるリンゴたちの傍らから、オモチャの剣を二振り拝借 |
| 私闘 | 「私闘は禁じられてるし、こんな時間じゃ模擬戦闘の許可も出ないぞ」 「そんな大層なものじゃない。二人で楽しま仲睦まじく、オモチャで遊ぼうというだけだ。申請なんてしたら、かえって笑われるぞ」 |
| 仲睦まじい | |
| 教本 | 教本に載っているような、模範的な受けをすればいい |
| 雄弁 | 交わったままの剣は、彼女の「物足りない」という気持ちをこれ以上ないほど雄弁に語っていた |
| 互角 | 彼女は魔力を熾してもいないらしく、腕力はほぼ互角 |
| 体捌き | パニバルの反射神経と体捌きは、自分のそれとは比べものにならないくらい高い水準にある |
| 剣豪 | 辺境の浮遊島の山奥で伝説の剣豪がひそかに編み出して伝えた秘剣中の秘剣とか、そういうやつだ |
| 弁舌 | 一つの勝負は百の弁舌に勝る。フェオドールのことは、それなりに理解できたぞ |
| 討滅 | だから、空に達した〈六番目〉は、速やかに私たちが討滅しなければならなかった |
| 札束 | しかしそこに、けっこうな額の札束を抱えた商人がやってきてな |
| 間引く | だから僕は、浮遊島を間引きたい |
| 旗色 | 後者の結末を防ぐべく自分たち護翼軍がいま戦力を調えている最中ではあるが、旗色ははっきりいって最悪に近い |
| 下世話 | 下世話な笑み。死者の仮面が似合わないことこの上ない |
| 筋書き | 悪い人間種の勇者に皆殺しにされた獣人の生き残りたちが、星神と土神の導きを受けて、新しい大地へと旅立っていく。そんな筋書きだ |
| 色事師 | 色事師とか詐欺師とか政治家とかがよく使う思考誘導だよ |
| 腹芸 | そして、この正直な少女には、その気持ちをとっさに隠すような腹芸はできなかった |
| 吐露 | けれど、もしあの時の言葉が、彼がそれまで隠し通していた激情の吐露だったとしたら |
| 書簡 | ポス、というのは、書簡回収を行う自律人形の愛称だ |
| 経費 | もともとリンゴたちの世話は護翼軍の正式な任務の内であり、その過程で必要になった物資の費用は基本的に経費で落ちる |
| 手垢がつく | 手垢のついた、ただ吹いてを肯定するためだけの言葉 |
| あやす | やはり堕鬼の連中は犬猫をあやすのがうまい |
| ガゼボ | 案の定。そのガゼボの屋根の下にね二人の子供の姿があった |
| 荷礼 | 荷札は間違っていないか。数量は記載されている通りか。配送のどこかの過程で、不良軍人によるちょろまかしが発生していたりはしないか |
| ちょろまかす | |
| 迷走 | その上で、ここ二、三年の護翼軍は、迷走を始めている。コストのかかる兵器を解体したり、逆に有効度のわかりにくい新たな兵器に巨費を注ぎ込んだり |
| 巨費 | |
| 足並み | 五人がそれぞれに違う手段を心に得がれば、当然、足並みは揃えない |
| 目方 | たぶんだが、単純に目方を比べるのなら、ティアット自身の体重よりもずっと上……のはずだ |
| 受肉 | そして受肉した死霊であるティアットら妖精は、本来の意味では生きてすらいない存在だ |
| 十全 | 持ってる力を十全に使いこなせてるってのも、立派な才能だろ? |
| はためく | ばさり、と鷹翼種の翼が一度大きくはためく |
| 図太い | きみってときどき、言うことすごく図太くなるよね |
| 杜撰 | 今回の事件の詳細を聞き確かめてみれば、それはあまりに杜撰で偶発的で外連に欠けて、つまりは「姉らしくない」ように思えたのだ |
| 独居 | よって、所属する軍人が悪さをした時に独居監房にブチ込むのとはわけが違うのだ。一般の犯罪者を捕まえておくなどという権利はない。「度重なる事件のせいでライエル市の拘留施設が麻痺しているため一時的に犯罪者が護翼軍に委託されている」 |
| 監房 | |
| 度重なる | |
| 拘留 | |
| 委託 | |
| 物憂げ | この女性がときどき浮かべる物憂げな表情などには、意味もなく動揺させられたりもする |
| 処世術 | 興味だけで気密に鼻づら突っ込むわけにもいかないでしょう?知るべきじゃないことを知りたがてはいけない。そのくらいの処世術は弁えてますよ |
| 曲者 | その尻はちょうど、今の今まで部屋の会話の盗み聞きをしていた曲者が慌てて逃げ出そうとして足をもつれさせてしまい、頭から床に突っ伏したばかりのような形をしていた |
| 相槌 | 誰に言われるでもなく。誰に問われるでもなく。自分自身でも何に対する相槌なのかを把握せずに。それでいて、そのことに疑問すら抱かずに。フェオドールは頷く |
| 形骸化 | 理想の言葉は形骸化し、個々の欲望を正当化するための免罪符に成り果てる |
| 免罪符 | |
| いくばく | あと必要なものといったら、肝心なところでミスをしない繊細さと慎重さと大胆さと、そしていくばくかの幸運くらいだろうか |
| 実入り | 多少ならずリスクを覚悟する必要はあるが、それを容れるだけの実入りはあるということなのだろう |
| 体術 | 剣の扱いは知っている。体術の基礎もかじってある |
| 呼気 | 呼気を読まれでもしたのか、肺の中が涸れているタイミングを狙われたせいで、とっさの悲鳴すらあげられない |
| 舌先三寸 | 「悪しき言葉」に相当するものであろう舌先三寸はまだしも、「呪われた瞳」にあたる邪視の力は、当の堕鬼種たちが存在を忘れそうになるほど、弱り切ってしまっていた |
| 擦過傷 | さんざん地面を転がったせいで、あちこちに擦過傷が出来ていた |
| 総動員 | 手の空いた兵士たちを総動員しての人海戦術、とはいかない |
| 傘立て | 雨宿玄関前の傘立てから誰かの私物であろう安い傘ひとつを拝借し、雑囊を肩にひっかけて、フェオドールは暗い街中へと向かう |
| 雑囊 | |
| ものものしい | ものものしいね。何かあったのかい? |
| 野卑 | 野卑で粗雑そうな風貌に似合わず、ギギルの落ち着いた対応には確かな知性が感じられる |
| 徴用 | この子は、その才能のせいでこの島まで強制徴用されてきた |
| 採光 | 窓は、高いところに採光と換気のためのものがひとつあるだけ。壁の作りもしっかりしていて、防音も期待できそうだ。つまり、身を隠すための場所としては申し分ない |
| 申し分 | |
| 仕立てる | ご希望の装束があるようでしたら、仕立てることもできますガ |
| ずしり | ずしりという確かな重み |
| こんちくしょう | あのこんちくしょうの背中を追うことだけを考えて歩いているうちに、人気のない──これは街中どこへ行っても似たようなものではあるが──裏路地に入り込んでしまっていたらしい |
| 搦め手 | いろいろ搦め手を好みはするが、本気の勝負手は常に、真正面からの正攻法。そこまで見えてりゃ、フェイントなんて何の役にもたたんよ |
| 正攻法 | |
| 否応 | 呼吸が止まり血流が乱れ、意識すらもが否応もなく薄れていく |
| 印璽 | 配達人が差し出す封筒には、確かに、鳥の羽を象った印璽が刻印されている |
| 刻印 | |
| 封蝋 | 女性の指先が、乱暴に封蝋を砕いた |
| つんざく | 耳をつんざくような爆音。 少し遅れて、彼方の岩壁に大穴が開く |
| 空元気 | それが空元気でしかないとしても、暗く沈んでいるだけよりはずっといい |
| 途方に暮れる | クトリだったらきっと、今のあんたみたいに、途方に暮れてたっすね |
| 篭手 | 本当に邪魔だな、この篭手!? |
| 消し炭 | ひとつは互いのちからを高め合う訓練の場において、敵を消し炭にするようなタイプの強さは発揮のしようがないということ |
| 憤り | なんでフェオドール側についてるんという憤りとか |
| 破砕 | あれならば、〈十一番目の獣〉の守りの上から39番浮遊島を破砕できたかもしれない |
| 酔狂 | もちろん、あの艇は半ば以上が技術室の酔狂の産物だったため、製造コストは他の艇の比ではなかった |
| ひっきりなし | 港湾区画にはひっきりなしに補給艇が発着し、物資が次々に運び込まれる |
| 奇矯 | どうした。今日の君はまた、一段と奇矯な振る舞いが目立つな |
| 闇討ち | ささいなことだよ、少なくとも闇討ちの類ではない |
| 屈指 | 規格外の射程と破壊力を持ち、地上からの砲撃で大型の飛空艇をすら墜としてのける、浮遊大陸群屈指の役立たず兵器である |
| 自軍 | そして、軌条の敷かれた場所でしか運用できないということは、自軍の工兵が十全の仕事をできる場所でしか仕事をしないということ |
| 工兵 | |
| 謀略 | 謀略に長けた堕鬼種の生まれである……というだけではないのだろう |
| 無粋 | 何が彼を変えたのか。そのあたりの追及するほど無粋ではないつもりではいたが |
| 苔色 | しかし窓の向こうに見えているものは、まるで貼り付けられた絵画のように変化のない、苔色と白と青の三色だけ |
| 拘泥 | ならば、兵器そのものだけに拘泥していても仕方がない |
| 緩急 | ぼやきながら、フェオドールはわずかに顔をしかめた。痛覚の波が緩急をつけながら襲ってくる。表情に出さないようにしたくとも、気を張り続けられない |
| 寝台 | そのまま、軽い荷持か何かのように、寝台まで運ばれる |
| 接舷 | 飛空艇というものは原則的に、設備の整った港湾区画にしか接舷できないようにできている |
| むかっと | むかっとした。そして、それでもやっぱり少しは嬉しいなと感じ自分自身に、なんて単純なやつなんだしっかりしろと、少し呆れた |
| 道すがら | 道すがら、奇妙なものを、街のあちこちに見かけた |
| フェイルセーフ | 妖精兵調整の技術についちゃ、関係者でもごく一部しか具体的なところを知らねーらしいからな。そのごく一部を全滅させて、うまいことフェイルセーフも潰してしまえば、簡単に途絶しちまう |
| 金目 | 金目のものを狙った、というようには見えなかったけれど |
| 高潔 | この子は、この高潔な女性は、愛が深すぎる |
| 慧眼 | そいつはご慧眼。個人的にはいまだに、なんでまたこんな窮屈な服なんざ着てるのか納得できてねーところがありましてね |
| 遁走 | 帝国とはまた別、独立勢力の者が、目標たるマゴメダリを抱えたまま現在も遁走中だ |
| 鉢合わせ | 今から引き返したら、別の道に入る前に鉢合わせすることになるだろう |
| むんずと | むんずと。単眼鬼の襟もとを、ひっつかんだ |
| よそ行き | 当たったところで大して痛くはなかっただろうけど、よそ行きの服に穴が開くのは嫌だったから |
| 切れ味 | じっとりとした視線と、切れ味鋭いナイフのような声 |
| 知悉 | マゴメダリ・ブロントン博士。単眼鬼の医者。「黄金妖精兵の調整」の事情について知る数少ない者の一人であり、おそらくは、現場での具体的な手順まで知悉している唯一の存在 |
| 早計 | 博士が護翼軍を裏切ったか、あるいは護翼軍が博士を裏切ったか……いやこれは早計か、不確定の要素が多すぎる |
| 結託 | いや、下手に会わせたら、結託してこっちを泣かせに来るかもしれないけれど |
| 同窓会 | 同窓会の通知を受け取った覚えも、もちろん出した覚えもない |
| 専売特許 | それって本来堕鬼種の専売特許みたいな生き方なのに、うちの血縁の誰より額眼種のあの人のほうが派手にやっちゃって |
| 泰然 | いつも泰然と構え、すべてを見通し掌握しているというような顔をしているこの女のそんな表情を、少なくともナイグラートは初めて見た |
| 浚う | 現在の護翼軍に残されている書類を浚えば、そのくらいのことまでは分かる |
| 詰る | 無情ともとれる返事に大して、責めることも詰ることもしなかった |
| 顔ぶれ | なるほど、マゴメダリの目から見て、このフェオドールこそが、今この場にいる顔ぶれの中で最も自由に動ける者だと見えているのか |
| 咎人 | そうだね。誰かが僕を咎人と詰ってくれるなら、もう少し、気が楽だったのかもしれない |
| 粉末 | 粉末粉純化銀の反応が、陰性だったわ |
| 風体 | 護翼軍に手配されている自分と、見るからに怪しげな風体の〝スパーダ〟、どちらも見咎められれば「夜の散歩です」でごまかせなさそうな身の上だ |
| 手斧 | 小箱は、手斧か何かで叩き潰された姿で、床の上に転がっていた |
| 素行 | この説明で納得されてしまうあたり、学術院時代の姉の素行が思いやられる |
| 出立 | というわけで、出立の時間です! |
| 隠れ家 | 隠れ家から港湾区画への道を、自分自身の目で確かめる |
| 余白 | 手配書も回ってるし、余白に『負傷状況を問わない』って書かれてる |
| 取調室 | 取調室で、不幸な事故が起きる |
| 妄念 | (……そんなわけ、ないか) 妄念を振り払う |
| 受け皿 | 予め、住処を追われる者たちの受け皿を用意しなければならない |
| 半永久的 | 浮遊大陸群を、半永久的に空の箱庭として留めておくことが叶うだろう |
| ずりずり | そのままずりずりと、両腕両足を大きく広げたまま、ずり落ちた |
| 遠雷 | 遠雷のように、重く低い声 |
| 霊廟 | いろいろと扱いの難しい剣だったようでな、当時の地上では専用の霊廟でほぼ置物状態だったと聞いていたが |
| 百戦錬磨 | ような、百戦錬磨の精鋭兵団などではない |
| 横槍 | この医者は結構な要人であり、貴翼帝国もその身柄を狙っているし、ナイグラートという喰人鬼が謎の横槍を入れてもいる |
| 隆々 | そして、筋骨隆々の背中といかつい黒山羊の後ろ頭とを確認し、すぐに首を引っ込める |
| 狼藉者 | 状況に依る。これ以上に狼藉者が増え、戦況が混沌を孕むならば、いずれ我らは大きな判断と選択を迫られることとなるだろう |
| 正道 | 正しく任を果たすために冷費やすならば、惜しむようなものではないな。兵や将の命の使い道としては正道だ |
| 果せる | 移動しながらでは、とても隠れ果せられるとは思えない |
| 地の利 | 加えて、地の利は完全に向こうにある |
| 静穏 | 残りは、古都の静穏をかき乱すこの暴走車を前にしても、無感動にぼんやりと眺めてくるだけだった |
| 隘路 | つまり、『砦』の駒を、G8、盤上の隘路に配置する指し筋。劣勢にある将の駒を安全地帯に逃がすための、定番の一手のひとつ |
| 潑剌 | けれどあの表情、どこからどう見ても元気潑剌の曇りなき笑顔は、だからこそ逆に彼が何を偽装しようとしているのかをはっきりと教えてくれる |
| 命題 | そして考えるのは、先ほどの命題だ |
| 拿捕 | 少年少女たち全員が自警団に拿捕されたついでに、いくつかの偶然が重なって、護翼軍がナサニアの素性に気づいた……という経緯らしい |
| 仏頂面 | ん、まあ、そこんとこは責任感じてなくもないけどさ。覚えてる?初めて会った時とか、あんたすんごい仏頂面だった |
| 顧客 | イエスであり、ノー。正確には、あんたという顧客の情報を同業者から買って、自分の手持ちのネタを高く売りつけられそうだと考えた情報屋だよ |
| 栄華 | 言い換えれば、現在そういう、いかにも計画性なく文字を足していったという家名を持つ家は、百年以上前から貴族として栄華を誇っていたということになる |
| 月賦 | 待ち合わせがあまり残ってないんだけど、月賦ってわけにはいかないかな |
| まろび出る | フェオドールは運転席からまろび出た。水の音と鳥の声。平和な森の光景が広がっている |
| 蝶番 | 左の扉は蝶番ごとどこかに吹っ飛んでしまった |
| 凄絶 | フードの下の素顔がどんなものであれ、〝スパーダ〟がこれまで凄絶な生を送ってきただろうという想像は、容易にできた |
| 鳩尾 | 一瞬前までフェオドールの鳩尾があった場所を、重たそうなブーツの底が容赦なく踏み抜いた |
| 隠れ蓑 | 浅く放った五種の急所狙いを隠れ蓑に、ノフトが本命の掌底を放つ |
| 掌底 | |
| 守勢 | ノフトの動きは鈍らない。一転して、ラキシュは守勢に回らされる |
| 怒声 | ノフトは悲鳴だか怒声だかよくわからない声を出している |
| 算盤勘定 | 久しぶりだな、ラーントルク。算盤勘定は上手くなったか? |
| 具申 | そのことにもどかしさを感じ、魔力攻撃テストを具申するつもりで総団長室まで来たのだ |
| 芋づる式 | マゴメダリ先生の言う『黄金妖精調整技術の危険性』の問題も芋づる式に解決する。何もかもがうまくいくんだ |
| 幻惑 | コリナディルーチェの朝市に慣れていない者の多くは、まずこのスケール感の違いに惑い、そして幻惑される |
| 横流し | というのが表向きの顔ですが、正体は地元の裏組織が運営する、盗品横流しの中継地点です |
| 二束三文 | 展示されているものは全て、二束三文の安物だそうですよ |
| 画伯 | たとえ高名な画伯の描いたものであっても、それを誰も欲しがらないならばそこに価値はない |
| 昏倒 | 軽い拳で警備兵を一人昏倒させながら、ノフトは講義する |
| 誘発 | 広く知られたところでパニックを誘発するか、あるいは至天思想をより広める結果になるだけだ |
| 錯綜 | そうでなくとも護翼軍が迷走しているいま、思惑は錯綜し、情報もまとまっていません |
| 無骨 | 並べられた刀剣類は、どう見ても芸術性よりも実用性を重視して作られた無骨なもの |
| 一環 | 逃げる、惑う、立ち尽くす、自ら命を絶つ、隣人を脅かす、欲しいものを得るために尊厳を捨てるなどなども、その一環。至天思想がさらなる流行を遂げることになるのも間違いない |
| 緩衝 | やたら緩衝材で包んでたくせに、中身はこんだけかよ。酒瓶か何か……にしてもちっちぇーな |
| 習性 | サルベージャーの習性を、さも常識のように言わないでください |
| 弱腰 | 対する市長の姿勢を弱腰だとして、罷免を訴える一団があること |
| 罷免 | |
| 単騎 | 軍の拠点に単騎潜入させるなんて、いいえそれ以前に、あなたみたいな立場のひとが連れまわすこと自体、使い捨ての壁にする気にしか見えないけれど |
| 独善 | 幼稚さも、短絡さも、独善っぷりも、まるで足りていないと言っているのよ |
| 塒 | 教えてなかった予備塒を使ってたっていうのは、ちょっと盲点だったかしらね |
| 荘厳 | やたらと展示用が高くて、その天井に何やら荘厳な絵まで描かれていて、巨大で重そうなシャンデリアが下がっていて |
| 場末 | 所詮は場末の情報室、貴族的な配慮には欠けているようだな! |
| とっくり | 何がどうなったらこんなややこしい状況になんのか、とっくり聞かせてもらおうじゃねーか |
| 鉄扉 | 鉄扉の中央にでかでかと、『立ち入りを禁ずる』の張り紙 |
| 博打 | といっても、何もわからないし予算も下りないしで、すぐに諦めたらしい。ここ数十年、ずっと酒と博打の毎日だと言っていたか。彼は、最初期の二位呪器技官の一人なんだ |
| 鶴嘴 | あー、労働環境劣悪な鉱山とかで鶴嘴片手に? |
| 意表 | すっかり、意表を突かれた。けれど、少し考えて見れば、それはいかにも、ティアットの言い出しそうなことだった |
| 後手に回る | 状況に対して、後手に回っているーーフェオドールはそう感じている |
| なりふり構わず | 本当はなりふり構わず、ラキシュさんを遣い捨てるべきだったんだろうな |
| 剥落 | 心が、剥落してゆく。そのことを、実感する。 自分の内側、深いところに封じられていたものが、殻を破って目を覚まそうとしている。そのことを、確信する |
| 殻を破る | |
| 元締め | 物語の舞台装置ってことだね。そいつが全ての悪の元締めだから、いなくなれば世界から全ての悪が消える |
| 巨悪 | とはいえもちろん、堕鬼種の子供が巨悪に憧れるのは当然のことであり、健全な話でもある |
| じめじめ | 鏡の中には、もちろん、場末の宿の、薄汚れた狭い一室の光景。じめじめしたベッドと、その上に敷かれた毛布が一枚 |
| 佳境に入る | そんな感じでお送りしています当シリーズ、『終末なにしてますか?もう一度だけ、会えますか?』第四のエピソード、佳境に入ってまいりました!ていうか今回では終わんなかったですよコリナディルーチェ編! |
| 我意 | 私は徹底抗戦派です。私が最後の一人になった以上、せもてその我意は通したい |
| 方策 | こんな自分でも、誰もが幸せになれる世界を望んでいたことが、あるのだ。そのための方策を真面目に考えていた頃が、あったのだ |
| 露呈 | その目的は、反逆だ露呈し護翼軍に捉えられた夜に、諦めた |
| 揺蕩う | 自身の心の内を見渡せば──物理的に何かをしたというわけではないが気分的にはそんな感じなのだ──辺りに光が揺蕩っているのに気づく |
| 猛悪 | あの民間艇を墜としたのは、猛悪なる貴翼帝国の、有翼兵士である。 それ単体で戦いの口火を切るというほどではないにせよ、立派な大義名分だ |
| 口火 | |
| 大義名分 | |
| 硬質 | 受ける印象は遥かに硬質。敢えて喩えるなら、小さな鈴を何万と束ねての大合奏か。うねり、さざめき、そしてその中に何かの感情が……いや、感情の形すら得る前のかすかな情動が、表現されている |
| 情動 | |
| 積荷 | あるものといえば燃え上がる積荷のコンテナと、もしかしたら燃え残っているかもしれないその中身くらい |
| 寂寥 | それは、憤怒に似ていた。それは、信頼に似ていた。それは、憎悪に似ていた。寂寥に似ていた。それは、希望に似ていた。それは、不安に似ていた。それは、不安に似ていた。それは、望郷に似いていた。それは憧憬に似ていた。それは、焦燥に似ていた。それは、名前もつけられない無形の環状に似ていた |
| 焦燥 | |
| 交易 | それなりに交易の盛んな都市だからだろう、道を行く人々の種族は様々で、その一方でその表情は一様に沈んでいる |
| 稜線 | 遠く、山の稜線の向こうに、黒煙が上がっているのに気づく。山火事か何かだろうか。憂鬱な気分に、さらに拍車がかかる |
| 符丁 | マゴメダリも護翼軍の関係者として、符丁の詳細までは知らないまでも、そういうものがあるということは聞かされている |
| 慰撫 | 慰撫するにせよ制圧するにせよ、とにかくこの男を早く静かにしなければならない |
| 駐屯地 | 護翼軍の駐屯地にたどり着く。この都市における護翼軍の立ち位置が如実に表れた、簡素な……遠目には安アパートにしか見えない建物 |
| 呼応 | うっすらと熾されたナサニアの魔力に呼応し、刀身に淡い光を湛えている。遺跡兵装パーチェム |
| 湛える | |
| 真価 | 人間種の遺した記録によれば、これは、悲しい戦いを終わらせる平和の剣なのだという。そしてそれを言い換えれば、状況が悲劇的な展開を迎えるまで──数多くの命がその場で奪われるまで、真価を発揮することがない |
| 忙しない | 終わりかけで忙しない世界の片隅で、言葉にせず救いを求めた者たちの物語を |
| だぼっと | だぼっとした寝間着姿の、まだ少し眠そうな顔をしたティアット |
| 頸椎 | その実はといえば、どう抵抗されても逃がさないように、頭骨と頸椎を上手い具合に極めている |
| ツケ | 「宿代払ってなくない!?」 「ツケにしといてもらおう!」 |
| 醜怪 | この街の本当の美しさを蝕んでまで守られねばならないものが、他にあるとでも?はん、そのような醜怪なもの、滅びて当然であろうが |
| 気圧される | その思いが、気圧されていたマルゴの喉を開いて「あのっ」という声を出させ、「そう、私は無力だが──」しかし続きの言葉は、すぐに引っ込んだ。「我等は、そうではない」 |
| 隆起 | 乾いた骨を踏み砕くような音を立て、男の肩が、内側から隆起する。高額そうなジャケットを内側から食い破り、何本かの腕が姿を現す |
| 高額 | |
| 大音声 | マルゴの耳もとに、鈴のような大音声。強烈な眠気。目の前がぐらりと揺れる。あら抗いきれない |
| 銃創 | 銃創から流れる血は基本的に赤く、しかしところどころに青や緑が混じる |
| 手ぶら | いや。本人が手ぶらだったっていうなら、まだ希望はあるかもしれない。ラキシュ君が目を覚ますよりも先にモウルネンを見つけて破壊できれば、あるいは── |
| 高所 | 高所から覗きをして捕まった鴉の話だとか、芸術指定された聖堂に糞を落とした鴫の話だとか、その手のエピソードをいくつか聞いたことがある |
| 魔性 | ティアット・シバ・イグナレオは、魔力を熾した。死者に親しい者ほど大きな力を震えるという魔性の技術 |
| にょきにょき | 五年の間に手足が(あと髪も)にょきにょきと派手に伸びた、ノフト・カロ・オラシオンの姿 「食事中ならまだしも、ドンパチ中に考え事はどーかと思うぞあたしゃ!そりゃ現状問題山積みで、悩み事が頭から離れねーってのはわかるけどさ!」 |
| ドンパチ | |
| 殲滅 | 多少の時間はかかったが、その場の敵の殲滅は問題なく終わった |
| 賛意 | 正直を言えばフェオドールも同感ではあったけれど、この場に彼らを招いた当人という立場上、正直に賛意を示すわけにもいかない |
| 斟酌 | そのへんの事情が分からないほど子供ではない。 が、そのへんの事情をいちいち斟酌してやる義理があるわけでもない |
| 値踏み | 老婆は動かない。値踏みの視線だけをじっとフェオドールに向けている |
| 示威 | 示威が目的だったなら、他にいくらでもやりようはあっただろう |
| 悔悟 | ふたつの悔悟が、ふたつの嘆きが、ひとつに溶け合っている |
| 肩口 | 肩口に、衝撃でひしゃげた鉛の弾頭がめりこんでいる |
| ひしゃげる | |
| 弾頭 | |
| 流れ弾 | 流れ弾。あるいは、瓦礫に当たった弾が跳弾したか。苛烈な勢いで燃え盛る魔力に守られた「ラキシュ」を撃ち落とすため、兵士たちは火薬量の多い銃を使っている |
| 跳弾 | |
| 苛烈 | |
| 燃え盛る | |
| 和らぐ | 耳を塞いだところで、圧力は少しも和らがない |
| 持久戦 | 持久戦は不利だと判断する。本来であれば、魔力を熾して戦っている側のほうが、体力の消耗は激しいはずだ |
| 貴賤 | 翼の色で貴賤の決められるあの国だは、鷹翼種というものはあまり良い扱いを受ける種ではなかった |
| 猛禽 | 子供の目に、まるで獲物を狙う猛禽のような、好奇心の強い光が宿ったのを見る |
| 直談判 | そのあたりについての直談判をいま、遠い空の下で、ナイグラートががんぼってくれている最中のはずだ |
| 蕩ける | えへへぇ、と橙色の少女が目に見えて蕩ける。やれやれまったくこの子は、と草色の少女が肩をすくめる |
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