| 薄目 |
頑張って薄目を開けると、右隣でネている少女の顔が視界に入る |
| 踏ん切り |
本当はまだ踏ん切りがついていないけれど、懸命に強がっているという様子だ |
| 冊子 |
私と羽衣はソファに座り、テーブルの上に積み上げた冊子を一冊ずつ検めていく |
| 軒下 |
さながら軒下の小人か、妖精さんって感じね |
| 悪目立ち |
そういうば私の学校にいた時、帆乃夏は何でも一番を取ってしまえる能力があるのに、悪目立ちし過ぎないように気を遣っていた気がする |
| 貸与 |
お父さんが請け負った仕事の記録には、必ず〝鍵杖〟というものが貸与されていたって書かれてました |
| 階梯 |
あたしの方にもあったよ。第三階梯とか第四階梯とか、種類があるみたいだったけど |
| 土埃 |
確かにハンドルやシードは、土埃で汚れている |
| 陣取る |
ここなら不意打ちはないし、ダッシュボードの上には〝見張りは自分に任せておけ〟というようにペラが陣取っているので安心だろう |
| 臆する |
羽衣は臆することなく温泉旅館を指差した |
| 籠城 |
誰かが籠城して、死人の群れに取り囲まれていたら、もっとここは荒れ果てていただろう |
| おぼつかない |
薄暗い玄関口から、一体の死人がおぼつかない足取りで外へ出てこようとしている |
| こびり付く |
胸の内にこびり付く小さな不愉快感 |
| 暖簾 |
パタパタとスリッパの軽い音を響かせて廊下を進めば、突き当りに温泉の入り口を示す暖簾がある |
| ドバドバ |
黒い岩で囲われた湯船には、岩の隙間からドバドバと新たなお湯が流れ込んでいた |
| 均整 |
星明かりが直接彼女を照らし、均整の取れた白い肢体を浮かび上がらせた |
| ドクドク |
とてつもなく恥ずかしくて、心臓がドクドクいっているのが自分でも分かるぐらいだけど──嫌なわけではない |
| 織り成す |
行く手に見えるのは、数多の建物が織り成すデコボコな地平線 |
| 玉突き事故 |
そこではひどい玉突き事故が起きたらしく、ぐしゃぐしゃに潰れた複数の車が黒く焼け焦げている |
| ざりっと |
靴裏にざりっとした感触。路面には灰が薄く積もっていて、車のタイヤ痕がはっきりと残っている |
| 屈める |
巨大化した二体の使い魔は、私たちを庇うように見を屈める |
| 上端 |
そしてその手には、上端に青い玉が嵌められた杖を持っている |
| 名目 |
手術のお礼って名目で会いに行って、その場で告白したけど──ダメだったわ |
| 常軌を逸する |
そう語るお姉ちゃんの瞳には、常軌を逸した光が宿っているように見えた |
| 爆ぜる |
耳に届くのはパチパチ薪が爆ぜる音 |
| 継ぎ足す |
とりあえずブラの紐を継ぎ足して延ばせば、苦しさはマシにるんじゃない? |