希代 | でもね、私は希代の賢者なんだ |
端女 | 私はテラコマリ様の端女でございます。受け止める覚悟はできておれます |
快挙 | こんなものに乗るのは三年ぶりである。というか外に出たこと自体が三年ぶりの快挙である |
居城 | 初めて見上げた皇帝の居城は、こうして見ているのが憎たらしくなるくらい豪奢な佇まいだった |
憎たらしい | |
佇まい | |
生粋 | によれば生粋の同性愛者でもあるらしく、可愛い女の子を見かけたらTPOを完全無視したセクハラを仕掛けてくる色情魔であり |
色情 | |
知将 | 戦闘能力なんか無くたって、私は知将として十分に活躍であるんだ |
相成る | で下剋上が相成れば、私は七紅天の座から強制的に引きずり下ろされることになる |
斡旋 | これはお父さんが私のために斡旋してくれた仕事なんだ。やらないわけには、いかないから |
麾下 | 我々は大将軍の麾下なのだ。文句を言える立場ではない |
重厚 | 確かに七紅府の白く重厚な貴族的な華やかさよりも、武人らしい朴訥な力強さが感じられる |
朴訥 | |
形相 | 開きかけた扉の向こうから、ものすごい形相の金髪男が走り寄ってくる衝撃映像を |
追い打ち | 追い打ちじゃねえかよ。変態メイドに頼っても無意味であると悟った私は、ほどの失態を完全に記憶から抹消して挨拶を再開した |
悦楽 | お前らが私に従って戦争を続ける限り、果てしない悦楽の毎日を享受させてやると! |
智謀 | 彼を知らず、己を知らず、それでも百戦を容易く勝ち抜く武力がある!智謀がある!魔法がある! |
悩殺 | 困惑で石化していると、ヴィルが謎の悩殺ウインクをぶらちかましてきた。 「おめでとうございます。どうやら部下たちはコマリ様に心酔したようです」 |
ぶちかます | |
心酔 | |
常軌 | こいつらが常軌を逸した変態だったとしても、私のやることは変わらない |
冷徹 | 糞餓鬼を容赦なく殺した冷徹さ──私はそこに覇者の資質を見出したのだ |
絶頂 | イエーッ!コマリン閣下センス絶頂 |
げふんげふん | あの方こそ私が仕えるに相応しい人物です。いずれは靴どころか素足をげふんげふん。何でもありません。とにかく今後に期待ですね |
惨たらしい | どんなに深い傷を負っても、どんなに惨たらしい死に方をしても、一定の時間が経てば完全回復するのである |
画鋲 | よし、やつの靴に画鋲を仕掛けてやろう |
グイグイ | なんだこの人。正直言って、こういうグイグイくるタイプはちょっと苦手だぞ |
ズバリ | 質問させていただきます。ズバリ、どういった経緯で七紅天になられたのでしょうか!? |
覇業 | 私がこれからすることはな、単純極まりない覇業だ! |
妖艶 | ヴィルは妖艶な大笑みを浮かべて言った |
格上げ | もはやこいつを変態ルイドと呼ぶのは相応しくない。変態犯罪メイドに格上げだ |
陵辱 | 「絶対に許さない。いずれ徹底的に凌辱してやる」と述べ、報復戦争を行う意向を明らかにした |
ぴりり | 甘くてまろやかで、ぴりりと舌をいじめる刺激は少しもなくて、どこまでも温かく、穏やかな、陽だまりのような恋のことだ |
力作 | 面白かったですよ、コマリ様の力作 |
ボツ | 「この部屋のゴミ箱を漁っていたら見つけました」 「…………」 「もしかしてボツですか?一応コピーして保管しておきましたけど」 |
焚書 | やつが持っている小説のコピーを焚書する |
火急 | まあ変態メイドの弱味を暴くことも火急の要件であることは確かだが、とりあえずは差し迫った問題について検討しようではないか |
消し炭 | ご心配なさらずとも、もしコマリ様を害するような輩がいたら、私かすぐさま消し炭やりましょう |
ドタキャン | つまり、台風の影響で戦争が中止になった時にむしゃくしゃして町で大暴れしたとか、戦争をドタキャンした敵方将軍を無断で暗殺しに行ったりとか、そういうものなのです |
たがが外れる | というツッコミはさておき、カオステルの話が本当だとするならば第七部隊は軍というよりもたがの外れた犯罪集団である |
血眼 | 私はヴィルを部屋の隅まで引っ張っていくと、血眼になって彼女につめ寄った |
論功行賞 | うむ。あれだ、論功行賞はしっかりやっていくべきだからな |
肖像権 | パシャリ。いきなり撮られた。……おい、肖像権って知ってるか? |
脱兎 | 裏切られたのを知った瞬間、私は脱兎の如く逃げ出そうとしてメイドに腕をつかまれて抱き寄せられて顎に手を添えられて耳元で「いちごミルク」と囁かれて絶頂した |
逆撫で | それは、人の神経を逆撫ですねような甘ったるい声だった |
忽然 | 狐面の姿が忽然と消えたのだ |
温厚 | それは妖精郷原産の蛟竜でございます。騎獣の中では温厚な種類ですが、ひとたび地を蹴ればあっという間に千里を駆け抜けてしまいますよ |
懇切 | おじさんの懇切丁寧な説明によれば、足首を上手く使って騎獣のお腹に力を加えてやればいいそうだ |
嘶く | ブーケファロスが高く嘶いた。私の気持ちを汲み取ってくれたのだろう、その足取りは徐々に速度を増していく |
疾風迅雷 | 私を乗せたブーケーファロスは、まさに疾風迅雷と表現する相応しい速度で大地を駆けていた |
中枢 | 貴族が権力を濫用して軍の中枢に潜り込んだ例など、帝国の歴史を紐解けばいくらでもあるはずだ |
紐解く | |
諦観 | そんなふうに諦観の念を抱いていた私だったが、待っていたのは固い地面との熱烈なキスではなく、柔らかいメイド服との熱烈なキスだった |
怨嗟 | 金髪男は怨嗟のにじむ声で言った。「大将軍閣下様よお、不意打ちとは少し卑怯じゃないか?」 |
三半規管 | ちくしょう、私の三半規管弱すぎだろ |
なるたけ | そして、なるたけ不敵な笑みを浮かべて金髪男に宣言するのであった。 「──よろしい、受けて立とう。いずれ貴様は己の浅慮を深く後悔することになるだろうが、それでも構わんな?」 |
浅慮 | |
不貞腐れる | 今更何の用だってんだ──私は不貞腐れながらも横目で彼女をうかがう |
声援 | 声援がいっそう大きくなり、「殺せ!」だの「死ね!」だの物騒な叫びが私の鼓膜を震わせる。「ぶ、ぶぶ、ブチ殺してやるぜかっ──んぷッ、オエエエエエエエエエエッ!」「きゃああああああああああああああああっ!?」吐瀉物をまき散らしながら襲いかかってきた! |
吐瀉 | |
ペテン師 | は、ははは、これが魔法だと?ふざけんじゃねえ……このペテン師め |
匍匐前進 | やがてヨハンは私の足元まで匍匐前進してきた |
涙ぐましい | そんな感じで悲鳴をあげながらも涙ぐましい抵抗をしていた時のことである |
ハプニング | 終盤ではチンパンジー御自ら私の本陣に乗り込んできてやつの投擲した【臭い玉】が私の頬を掠めるハプニングも発生した |
詰問 | 烈火の如く激怒した私が理由を詰問すると、変態メイドは涼しい顔で「これからコマリ様のサイン会を行います」などとのたまったのだ |
恐れ慄く | まあ一応私だって七紅天だし、肩書だけ見れば恐れ慄いてしまうのも仕方がないだろう。こういう子が相手ならまだ肩肘張らずにやっていける |
肩肘張る | |
抑止力 | 優秀な七紅天がいると、それだけでけっこう抑止力になったりするんだよ |
立食 | 私は皇帝が主催する立食パーティーに参加させられていた |
チンケ | ガンデスブラッドの家名でおどかしてやれば、チンケな貴族など裸足で逃げ出すだろう |
裸足で逃げる | |
歓談 | 私は変態メイドから目を背けてベリウスのほうに向き直った。さあ、歓談しようじゃないか |
絢爛 | まとう衣服は豪華絢爛、服の下から盛り上がる胸のサイズも豪華絢爛、それでいて身長は私とそんなに変わらないという希少存在 |
御仁 | この人と会話をしたのは久しぶりだが、相変わらずエキセントリックな御仁である |
宵闇 | コマリの瞳はムルナイトの宵闇のように澄んだ紅色をしている。きみは今の生活が楽しいらしい |
奔放 | 面白い。面白いわねえ。噂通りに自由奔放な振る舞いだわ |
宣揚 | そこまで考えてるんだ。確かに現代の戦争は国家宣揚の場にすぎない |
下郎 | おい下郎。朕のパーティーを台無しにするとは惚れ惚れするほど豪胆だな |
惚れ惚れ | |
哄笑 | ミリセントは哄笑しながら大ジャンプすると、私のすぐ隣に着地した。獲物を狙う蛇のような視線に射竦められて、私はぴくりとも動けない |
射竦める | |
ぴくり | |
興醒め | やがてミリセントは興醒めしたように鼻で笑い、 |
血相 | 珍しく血相を変えたヴィルが私を助け起こしてくれる |
風前の灯火 | コマリ隊は風前の灯火です。ヨハンは軍を去り、ベリウスは意識不明の重体。メラコンシーにいたっては有給使って海外旅行に行ってしまいました。このまま閣下までいなくなってしまったら── |
一族郎党 | 彼女の一族郎党に国家反逆の濡れ衣を着せて国外追放してしまったんだ。それがテロリスト集団に入って復讐しに来るとはねえ |
羽交い締め | 取り巻きどもに命令して私を羽交い締めにすると、面白いオモチャでも見つけたような顔をして手を伸ばしてくる |
夕餉 | コマリ様、夕餉のメニューはオムライスです |
確固 | 同胞たるベリウスを討ち、敬愛する閣下にスパゲッティをぶらまけた憎き女を絶対に捜し出してやろうという確固たる意志に燃えていた |
余人 | あの少女にはきっと余人には思いもつかぬような考えがあるのだろう |
万夫不当 | もし私に万夫不当の戦闘力があったなら、今すぐにでも駆けつけてヴィルを助けてやるのに |
克明 | コマリ様は覚えていらっしゃらないかも知れませんが、私は三年前のあの瞬間を今でも克明に反芻することができるのです |
木偶の坊 | 間違っても今のコマリ様を笑ぬような、箸にも棒にも掛からぬ木偶の坊だったのです |
汚泥 | そうです。もはや汚泥です。閣下がご不在の間にテロリストを仕留めることができなかったことに関しましては、申し開きのしようもありません |
申し開き | |
傲岸不遜 | 私は部下たちを振り返ると、できる限りの傲岸不遜な態度で言ってやった |
権謀術数 | ブルーナイト家は政治家の一族だ。権謀術数が渦巻く宮廷において信用できるのは己の力だけ |
撹拌 | こんなやつに哀れまれているという事実がミリセントの精神をこれでもかというほどに撹拌していた |
甚振る | 烈核解放を発動されると太刀打ちできなくなってしまうので、決してやつの血を摂取しないよう細心の注意を払いながら、複数人で取り、囲んで甚振ってやった。もともと抵抗するほど気骨のある少女ではなかったのだ |
気骨 | |
考査 | 表情を綻ばせて考査の結果を報告したミリセントに対し、父はしかし、悪鬼のごとく眦を吊り上げて怒鳴りつけたのだった |
眦 | |
塵芥 | そのくせ生きている価値もない塵芥ばかりをのさばらせて憚らない |
のさばる | |
祝詞 | 聞き慣れない東国風の祝詞を唱え終わると、彼は神妙に頷いて |
驚嘆 | そんなふうに絶叫しながらも、一方でミリセントは驚嘆してもいた |
磔 | その奥深くにある教会の祭壇に見覚えのあるメイドが磔にされていたのだ |
化けの皮 | 化けの皮を剥がされた偽七紅天は国中の吸血鬼たちから詐欺師の汚名を着せられることになるわ |
構築 | それに宮廷の連中は魔力の残滓からヨハンが門を構築したことを突き止めているだろう |
脱却 | 三年前のトラウマから脱却できず、真っ当な気持ちで今を生きることができない迷い人 |
真っ当 | |
頸動脈 | あれで頸動脈でも切られれば、ヨハンは完全なる死を迎えることになる |
喜色 | ミリセントの顔が喜色に歪む。彼女が【魔弾】の照準をこちらに定めると同時、私はポケットから取り出した魔法石・【障壁】を地面に叩きつけた |
照準 | |
粋がる | 「う、うるさい、うるさい。私は、泣いてなんか、ない……」「粋がるんだしゃないわよッ!!」 |
めり込む | 脇腹にめり込み、ぞっとするほどの血飛沫が舞い上がったけれども私は止まらない |
飛沫 | |
おみ足 | だったらそのキレーなおみ足をへし折ってぶち殺してやるよッ |
へし折る | |
感無量 | 「感無量です。また、私を助けに来てくれるなんて」 違う。違うんだ、ヴィル。私は何も成し遂げられていない。無鉄砲に部屋を出てきてむざむざ殺されただけだ |
無鉄砲 | |
むざむざ | |
激甚 | 閣下から発せられた激甚な魔力の本流は、廃城包み込むほどの勢いで天地を紅に染め上げていく |
無上 | 吸血鬼たちを真に震わせているのは無上の期待と歓喜だった |
ボルテージ | 吸血鬼たちのボルテージは徐々に上がっていき、やがて収拾のつかないほどのコマリンコールが始まる |
完膚なきまで | 完膚なきまでに叩きのめしたはずのテラコマリが立ち上がったのだ |
血塗れ | 紅色の月光に照らされた、血塗れの少女。ミリセントは思わず身震いした |
身震い | |
酔漢 | 背後ではやかましい吸血鬼どもが酔漢のような叫び声をあげている |
ぼとり | ぼとりと右腕が落ちた。もちろんミリセントのものである |
栄典 | テロリスト拘束任に当たったガンデスブラッド大将軍には栄典の授与が決定された |
授与 | |
事なきを得る | 第七部隊のゴロツキどもが宮殿まで運んでくれたので事なきを得ましたが、下手をすれば命が尽きてしまうところだったんですよ |
邪 | お前は邪な気持ちだけを私に向けてろ |
打たれ強さ | 私も軍人の端くれです。打たれ強さには自信がありますよ |
伝令 | 伝令役の声が響き渡った瞬間、私の周囲を固めていた吸血鬼どもが喧しいほどの雄叫びをあげた |
喧しい | |
合いの手 | そうだそうだ!と合いの手を入れたのは、先ほどまで勝鬨をあげまくっていた他の吸血鬼どもである |
勝鬨 | |
凱旋 | よし!戦いにも勝ったことだし、ムルナイトに凱旋しようではないか!皇帝に戦果を報告した後は解散だ!ゆっくり休んでくれたまえ! |
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